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2024.8.8
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それは太子の側とて同じ事。兵士の命と引き替えに大将の首寄越せってな場合なら兎も角、こっちはそんな物要求してねえんだから太子が死ぬ必要は無い。王女も死んだ者にあんまり気を使う必要は無いぜ。クロノ原じゃあ、こっちも向こうも五分と五分。負けておっ死んじまった連中は運と才覚が無かっただけ。半ば以上自分の責めに帰すべきものだ。そのくらいのつもりでいてくれ。・・・・・・後は、太子をどう説得するかだ。元々は、ナーザレフって腐れ外道の引き起こした謂われ無き諍いだ。太子が自ら死を選んだら、まんまとナーザレフの手に乗った事になる。盗人に追銭、間抜けに馬鹿を重ねるようなもんだ。そこの辺りをどう太子を言い包(くる)めるかだ。・・・・・・しかし、それは王女と太子の間の問題だ。後は王女の頑張りに任せる外ない話で、どうともしてやれないが、諦めなければ王女の真心はきっと届くさ。」
久々のハンベエの長口上。タゴゴロームで獲得した能力『雄弁』をフル稼働であった。
「ありがとう、ハンベエさん。私もこの口惜しい伝承の迷信になど絶対に負けたくありません。」
力の有る声でエレナは答えた。
「じゃ、俺はロキの処へ戻る。スラープチンと相談も有るし、ハイジラからあんまり目を離しても居られん。後、モルフィネスの言ってたラシャレーとの連絡はボーンの伝手(つて)を検討して見る。」
「分かりました。あっ、ハンベエさん。この所剣の手解きが滞っています。又折を見て、指南願います。」
「・・・・・・。ボルマンスクに付いたら、暇を見て。」
王女との間でだけ情報をやり取りする為に提案した便法であり、クロノ原で決戦に勝利した今なっとてはもう必要無いとハンベエは思ったが、純粋に剣の修行を志すエレナの願いを無碍には出来なかった。
自分用に設えられている天幕にハンベエが戻ると、ロキ、スラープチン、ハイジラの三人はそこに居た。
ハイジラは相変わらずボンヤリとした様子である。それを見てハンベエは安堵した。武器を取り上げられて、ずっと大人しいままのハイジラであるが、元々暗殺兵器として創り上げられた人間だ。ハンベエを襲った時の攻撃も常人には及びもつかない動きであった。今は呆けた木偶のようで感情すら現していないが、何かの拍子に暴走でも始めたらロキやスラープチンの手には負えない事は明らかである。ハンベエも気が抜けないのである。
「ハンベエ、王女様に今日の振る舞いの弁解をした?」
とロキが尋ねて来た。
「弁解?」
ハンベエの方はロキの問いに何の事だという顔になった。「オイラ、ちょっと王女様の御機嫌を伺いに行って来るよお。」
とハンベエの反応を見てロキが立ち上がった。
「モルフィネスの負傷の時に見せたハンベエの反応。モルフィネスの方はパーレルが居るから誤解は起きないだろうけど、王女様がどう思ったか心配だよお。全く世話が焼ける。」
と小声でブツクサ言いながら出て行った。
「御坊、教団の今後について打ち合わせたいが、良いよな。」
ハンベエはロキの言葉が聞こえていたが、別に気にもせずスラープチンに話し掛けた。
「お聞き致します。」
「先ず、教祖のナーザレフであるが、これは斬り捨てた。」
「何と。」
タクアンでも切ったかのようにあっさりとした口調で出たハンベエの言葉に、スラープチンはぎょっと目を剥いた。
「奴はゴルゾーラの所から逃げ出し、信徒を糾合して何やら企てて居たようなのでな。
それに元々ナーザレフという男は・・・・・・。」
とハンベエはイザベラが暴いたナーザレフの人間像を余すところ無く伝えた。スラープチンはじっと黙って最後まで聞き、聴き終えるや、
「俄には信じられぬ話で御座います。確かに教祖には神懸かりと言うか、狂気じみた世間一般の人とは相容れぬ奇矯な一面が有りましたが・・・・・・。」
と深い溜息を吐いた。